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日本・神戸でトライアンフが息づく場所、FONK Motorcyclesのサトシ氏へのインタビュー

Fonk Blog Banner- Japan
クロージング Triumph Motorcycles 21st 1 2026

FONK Motorcycle's Instagram: fonkmotorcycle

神戸の高架下にひっそりと佇むFONK Motorcycles。 ここは単なるガレージではなく、モーターサイクルを“生き方”として捉えるライダーたちのためのサンクチュアリだ。 今回は、リードメカニックであり共同創業者でもあるサトシに、Triumph、クラフトマンシップ、そしてFONKを日本のバイクシーンにおける隠れた存在たらしめているカルチャーについて話を聞いた。

 

― FONK Motorcyclesは、単なるワークショップ以上の存在として知られています。始まりはどのようなものだったのでしょうか?

最初は、あるバイクショップで約5年半ほど修行をしていました。そこで、整備やペイント、溶接、エンジンの深い部分まで、本当に基礎からすべてを教えてもらいました。 そのオーナーの弟さんが、イギリス車専門のカスタムショップをやっていて、彼の仕事を間近で見るうちに、少しずつTriumphに惹かれていったんです。 やがて1968年式のユニット650のエンジンを、いわゆる“バスケットケース”の状態で手に入れました。フレームはその弟さんのものを使わせてもらい、彼の指導のもとでハードテールを作り、エンジンをフルオーバーホールし、外装も一から製作しました。それが、僕にとって最初のTriumphです。 これまでいろいろなバイクに乗ってきましたが、最終的に「自分の感覚や直感に一番しっくりくる」のがTriumphだと気づきました。 いつか自分の店を持ちたいという夢はずっとあって、それがFONKを立ち上げるきっかけになりました。少しずつ、焦らず、丁寧に。Triumphという機械と、その背景にあるカルチャーを、敬意をもって伝えていくことに向き合い続けています。

― 日本の他のガレージと比べて、FONKが大切にしている違いは何ですか?

日本のカスタムショップ、特にヴィンテージバイクを扱う店は、どうしても「閉じた空間」になりがちだと感じています。 コアなマニアにとっては心地いい場所かもしれませんが、若いライダーや、これからヴィンテージTriumphの世界に踏み込もうとする人にとっては、少し入りづらい空気があるのも事実です。 FONKでは、そういう人たちにとっての“入口”になる場所を作りたいと思っています。 バイクに乗り始める場所、Triumphと付き合い始める場所として、萎縮せずに入れるコミュニティでありたい。お客さんは20代から40代が中心で、若い世代が多いですね。 僕自身も含めて、誰も「すべてを知っている」わけではありません。だからこそ、知識をオープンに共有して、一緒に成長していけたらと思っています。 特にアメリカでのTriumphの捉え方やスタイルには強く惹かれていて、時間が許す限り現地に行き、友人たちから学んでいます。その経験を日本に持ち帰り、FONKを通して還元できることが、日々のモチベーションになっています。

― FONKの店内の雰囲気を教えてください。

静かだけど、確かに“生きている”空間です。 ロックやブルースが流れ、ときにはファンクやソウル。ガソリンとエンジンオイルの匂いが混ざり合い、工具の触れ合う音が響きます。 リフトの上にはTR6CやT120R、デザートスレッドやチョッパーのカスタム途中の車両が並び、片隅ではレストア途中のTR6Cが静かに佇んでいます。壁にはヴィンテージのブラックライトポスター。ショールームには整備書だけでなく、アートやタトゥーカルチャーの本も並び、作業中に腰を下ろして本を読む人もいます。 日本酒や手作りの料理を差し入れてくれる人も少なくありません。 日本らしい空気感の中に、Triumphの精神がしっかりと息づいている場所です。

Fonk Image Block

 

― 日本のTriumphシーンと、その中でのFONKの立ち位置は?

派手ではないですが、確実に広がっています。

日本のライダーはスピードよりも「フィーリング」に惹かれてTriumphを選ぶ人が多いと思います。バイクとの関係性や、その背景にあるカルチャーを大切にしたい、そんな感覚ですね。

長い歴史を持つ先輩ショップと比べると、FONKはまだ赤ん坊のような存在です。経験や技術の蓄積では及ばない部分もありますが、情熱と行動力では負けていないと思っています。今は、仲間を少しずつ増やしていくフェーズです。

最近、カリフォルニアのLe Hangar 23のエリオットとも話をしました。国やシーンを越えて、バイクを楽しめる環境を作れたら素晴らしいよね、と。時間はかかりますが、小さな一歩から積み上げていきたい。

個人的には、自分のT100Rで林道を走ったり、レースに出たりする中で、本当に多くの出会いと学びがありました。

「FONKをきっかけにTriumphに興味を持った」「実際に買いました」と言ってもらえる瞬間は、何にも代えがたい喜びです。

その情熱の連鎖に、少しでも関われたなら、それ以上のことはありません。

― 印象に残っている、ご自身のTriumphのストーリーは?

今乗っているT100Rですね。

去年、アメリカでエリオットのショップに滞在していた時、「Hell on Wheelsのミートボールのアリゾナの土地に行くけど、一緒に行く?」と誘われました。バイクを持っていなかったのですが、彼が所有していたオリジナルに近い状態のT100Rがあって、思い切って購入しました。

すでにT100Cのシリンダーヘッドが載り、シングルキャブ仕様で、左出しハイパイプという最高のベースでした。

偶然にも、日本から自作のシートとFONKオリジナルのハンドルを持って行っていたので、その場で装着。さらに、彼から譲ってもらったCerianiフォークを、旋盤で加工しながら取り付けました。

地面に寝転がって作業していたら、チーフメカのTinkに怒られたのも、今では笑い話です。

そこからアリゾナへ。広大な景色の中を走る感覚は、言葉にならないほどでした。興奮、不安、砂埃、強烈な太陽。自由すぎるくらい自由に走って、途中で離れたり、ガス欠寸前になったり…。正直、遭難するかと思った瞬間もありましたが、なんとか日没前に全員帰還できました。

あのアメリカ的な冒険の輪に入れてもらえたことは、一生忘れません。

そのT100Rは日本に戻り、今も大切に手を入れながら乗っています。カリフォルニアからアリゾナ、そして神戸へと繋がった人と感情。そのすべてに、心から感謝しています。

 

Fonk image block 2 riding

 

― FONK Motorcyclesのこれからは?

FONKは、人と人を繋ぐ“橋”でありたいと思っています。

ネットだけでは学べないこと、先人たちから直接受け取るべき知識や感覚が、まだまだたくさんあります。

Triumphに興味を持つ人は増えていますが、歴史やカルチャーへの理解は十分とは言えません。この文化を未来へ残すためには、もっと深く、正確に知ることが必要だと思っています。

経験を積んだ人と、これから学ぶ人が、イベントやライド、時間の共有を通して繋がる場所。

ただ走るだけではなく、楽しみながら学べる場所。

それがFONKの目指す姿です。

そしてもちろん、Triumphはこれからも増えていきます。

Always more Triumphs.

― FONKにおけるTriumphカルチャーとは?

静かで、誠実。

見せびらかすことはなく、主役は常にバイクそのものです。スピードよりも、どう付き合い、どう大切にしてきたかが尊重されます。

FONKにあるTriumphは、単なる所有物ではありません。

世代や経験を越えて人を繋ぐ「共通言語」です。

控えめだけれど、深く根を張ったその関係性こそが、FONKのTriumphカルチャーです。

― 日本のライダーは、どのようにTriumphと向き合っていますか?

クラフトマンシップへの深い敬意があります。

デザインの美しさ、長い歴史、伝統と現代性の融合。そのすべてが強く響いています。

Triumphは、もはやイギリスのブランドという枠を超え、自由を語る“世界共通語”になりました。

情報とノイズに溢れた時代だからこそ、乗った瞬間に「本物」を感じられる存在なのだと思います。

― 世界中のTriumphライダーへメッセージを。

安全に、そしてバイクを楽しんでください。

エンジンの鼓動を感じ、自分にとってのモーターサイクルを語り合い、考えすぎず、まずは手を動かし汚すこと。

もし神戸に来ることがあれば、ぜひFONKに立ち寄ってください。

最後に、あなたの好きなトライアンフは? 1955年式 トライアンフ TR5

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