Moto2™
Powering Moto2™
2017年6月8日

トライアンフが2019年からFIM Moto2™ 世界選手権にエンジン供給
2017年6月8日
FIM Moto2™ ワールドチャンピオンシップの2019シーズンから、トライアンフが独占エンジンサプライヤーとなることが本日発表されました。
トライアンフはMotoGPTM の商権を有するドルナと契約を交わし、新型2017 Street Tripleのエンジンをベースに、レース専用チューンを施した3気筒765ccエンジンを3年間供給します。
新エンジンはDaytona 675Rのエンジンを大幅に発展させたものです。Daytona 675Rは2014年と2015年にマン島TTレース、デイトナ200、ブリティッシュスーパースポーツ選手権で勝利した実績があります。
直接のベースとなったのはStreet Triple RSに搭載されている最高スペックの765ccエンジンであり、Moto2TM のために次のような改良が加えられています。
- 改良型シリンダーヘッドはガスフローを最適化するために吸気ポートと排気ポートを最適化
- チタンバルブと強化スプリングの採用により高回転化
- レース用低出力オルタネーターでイナーシャを軽減
- 1速ギアをハイレシオ化
- チューン可能なレース用スリッパークラッチ
- マニエッティ・マレリ社との共同開発によるレース専用ECU
- 改良型エンジンカバーでエンジン幅低減
- 新型サンプでヘッダーランを改善
エンジン
トライアンフのMoto2™ 3気筒765ccエンジンは、新型2017 Street Tripleのエンジンをベースに開発され、パワーとトルクを大幅に向上させるチューンアップが施されています。
765ccの新エンジンを搭載したStreet Triple RSは、一般道向けのセットアップで同モデル史上最高となる123PS@11,700rpm、77Nm@10,800rpmを発生します。
先代のStreet Tripleエンジンと比較するとボアとストロークが拡大し、80以上のパーツが新たに採用されています。新設計エンジンの主なパーツ:
- 新クランク
-
新ピストン
- 新コンロッドと新バランサーシャフト
- Nikasilメッキアルミニウムバレル
- 改良型ギアボックス
レース仕様のトライアンフ 765cc Moto2TM エンジンは、量産モデルより吸気効率を高めつつ高回転化し、トータルなパフォーマンス向上を実現しています。その他にも、レース向けに様々な改良が加えられています。
トライアンフ Moto2 エンジンのCGI映像はこちら:https://youtu.be/bDT8y0WEfxo
トライアンフのチーフコマーシャルオフィサー、ポール・ストラウドのコメント: 「110年にわたるトライアンフのレース史に新たな1ページを刻む素晴しい出来事であり、マン島TTレースやスーパースポーツレースを制覇した3気筒エンジンが評価された証でもあります。ドルナの皆様、Moto2TM に参戦される各チームやライダーの皆様、ファンの皆様と素晴しい関係を築けることを楽しみにしております」
ドルナのカルメロ・エスペレーターCEOのコメント:「世界を代表するモーターサイクルブランドのトライアンフとパートナーシップを結べたことを大変喜ばしく思っています。トライアンフの3気筒エンジンは力強くリニアな出力とトルク伝達で高く評価されており、レースシーンでも素晴しい実績を残しています。Moto2TM 世界選手権にとってこれ以上理想的なエンジンはありません。トライアンフとのパートナーシップにより新時代の幕開けとなる2019シーズンを大変楽しみにしております」
IRTAのエルベ・ポンシャラル代表のコメント:「Moto2™ は有能なライダーをMotoGP™ へ送り出す重要なカテゴリーです。MotoGP™ のトップライダーの多くは、この中級カテゴリーの出身です。エンジンの独占サプライヤーとしてトライアンフを迎え、中級クラスに新しいECUが採用されることで新時代が到来し、MotoGP™ へのステップアップを狙うカテゴリーとして、このクラスはさらなる進化を遂げるでしょう」
エクスターンプロのテクニカルディレクターを務めるトレバー・モリス氏、レースシリーズ用エンジンの最終準備を担当する彼はこうコメントしています。「世界的に有名なトライアンフと協力してMoto2TM 世界選手権にエンジンを供給できるというのは大変素晴らしいことです。私は以前から3気筒エンジンのファンでした。そのユニークなエンジン特性とパフォーマンスが今後の選手権を成功に導いてくれることでしょう」
ジュリアン・サイモン、2009年の125ccワールドチャンピオンであり、Moto2TM 準優勝経験者、そしてMoto2TM のテストライダーでもある彼は、アラゴンサーキットでのエンジン開発テストにも参加し、こうコメントしています。「エンジンは力強く、特にミッドレンジが素晴しい。スロットルと後輪とのフィーリングがダイレクトでコントロールしやすいです。全体的なフィーリングがとてもよく、ポテンシャルの高さを感じます」
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